「molto rit.」という音楽用語を、楽譜の中で見かけたことはありませんか?
これは、クラシック音楽を演奏するうえでとても重要なテンポ指示のひとつですが、rit.との違いや正しい演奏方法が分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
この記事では、「molto rit.」の正確な意味、読み方、使われる場面に加え、自然なテンポ変化を身につけるための練習方法までを、クラシック音楽を学ぶ高校生にも分かりやすく解説しています。
molto rit.の感覚をしっかり理解すれば、あなたの演奏にもっと深みと表現力が加わりますよ。
molto rit.(モルト・リタルダント)とは?音楽用語の意味と使い方
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クラシック音楽の楽譜で見かける「molto rit.」という記号。
高校の音楽授業ではあまり詳しく教わらないことも多いですが、演奏表現を豊かにする大切な指示です。
この章では、「molto rit.」がどんな意味を持ち、どのように使われるのかを詳しく解説していきます。
molto rit.の読み方と語源
「molto rit.」は、イタリア語由来の音楽用語です。
読み方は「モルト・リタルダント」となります。
それぞれの単語には以下のような意味があります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| molto | とても、非常に(英語の”very”に相当) |
| rit. | リタルダンドの略。だんだん遅く、徐々にテンポを落とす |
つまり、「molto rit.」は「とてもゆっくりとテンポを落とす」という指示なのです。
rit.(リタルダンド)との違いとは?
「rit.」だけでも「だんだん遅く」という意味ですが、そこに「molto」が付くことで強調されます。
言い換えれば、「rit.よりもさらに時間をかけて、明確にテンポを遅くする」という指示になるのです。
この違いは、演奏表現の幅を広げるうえでとても重要です。
| 用語 | 意味 | 演奏のイメージ |
|---|---|---|
| rit. | だんだん遅く | 少しずつゆっくりする |
| molto rit. | とてもだんだん遅く | 明らかに、時間をかけてゆっくりする |
rit.とmolto rit.は、感情の込め方や演奏のテンポ変化に差があるということを覚えておきましょう。
どんな場面で使われる?実際の楽譜例と一緒に解説
molto rit.は、主に曲の終盤や感情を込めたい場面で使われることが多いです。
たとえば、ピアノソナタの最後のフレーズで一気にテンポを落とすことで、余韻を強調するような演出に使われます。
| 使用場面 | 効果 |
|---|---|
| 曲の終わり | 静かに締めくくる、余韻を残す |
| サビの終わり | 盛り上がりの後の余韻を強調する |
たとえばベートーヴェンやショパンの楽譜を見ると、molto rit.の指示が出てくることがあります。
このような場面では、テンポを落とすだけでなく、感情を込めて演奏することが大切です。
molto rit.は、ただ速度を遅くする記号ではなく、「音楽的な呼吸」を作るための表現記号なのです。
molto rit.の感覚をつかむには?練習とコツ
molto rit.は、ただ「テンポを落とせばいい」だけの記号ではありません。
自然な呼吸のように、曲の流れに合わせて「ゆっくりしていく感覚」を身体でつかむことがとても重要です。
この章では、その感覚をどう身につけていけばよいか、実践的なコツや練習法を紹介していきます。
テンポの変化を身体で覚える練習法
molto rit.をうまく演奏するためには、テンポの変化を「体感的に」覚えることが大切です。
以下のような練習法を試してみてください。
| 練習法 | ポイント |
|---|---|
| メトロノームを使う | rit.前のテンポ→rit.後のテンポを設定して徐々に切り替える練習 |
| 手拍子で変化を確認 | 自分の手でリズムを取りながら徐々に遅くしていく |
| 録音して聴き直す | テンポの変化が自然か、自分で客観的にチェックする |
特に、録音して客観的に聴き直す方法は、感覚のズレに気づく良い機会になります。
音をゆっくりにすることだけでなく、「その変化がなめらかで自然か」が一番大切です。
プロはどう演奏する?YouTubeなどでの学び方
molto rit.の感覚は、実際にプロの演奏を見ることでグッとイメージしやすくなります。
たとえば、以下のようなポイントを意識して視聴してみましょう。
| 視聴ポイント | 観察する内容 |
|---|---|
| どこでmolto rit.が使われているか | どのタイミングでテンポが変化するか |
| 変化のスピード | 急激に遅くなるのか、じっくり遅くなるのか |
| 演奏者の表情・動き | どんな感情を込めて演奏しているか |
特にピアニストや指揮者の表現は、molto rit.を体現していることが多いので、とても参考になります。
「どうしてこの場面で遅くするんだろう?」と自分で考えながら観ると理解が深まります。
間違えやすいポイントと対策
molto rit.をうまく演奏するには、よくある「つまずきポイント」に注意することが重要です。
以下のようなミスを避けるようにしましょう。
| よくある間違い | 対策 |
|---|---|
| 急にテンポを落としすぎてしまう | rit.との違いを理解し、徐々に変化させることを意識 |
| rit.とmolto rit.の区別がついていない | 楽譜上の記号をしっかり確認する習慣を持つ |
| molto rit.を意識しすぎて不自然な演奏になる | 録音して聴き直し、自然な表現を心がける |
「ゆっくり演奏する=molto rit.が成功している」ではなく、「自然で美しいテンポ変化」が成功の鍵です。
まとめ:molto rit.は「とてもゆっくり」を音楽で表現する言葉

ここまで、音楽用語「molto rit.」の意味や使い方、練習方法までを解説してきました。
最後に、この記事のポイントをあらためて整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用語の意味 | molto rit.=とてもだんだん遅く |
| 構成する語 | 「molto(とても)」+「rit.(だんだん遅く)」 |
| 使われる場面 | 曲の終盤や感情表現のピーク |
| 練習のポイント | 録音・視聴・メトロノームを活用し、テンポ変化を体で覚える |
特に、rit.とmolto rit.の違いは「強さの違い」にあることをしっかり理解しておきましょう。
molto rit.は、単なる速度の指示ではなく、「音楽的な呼吸」や「感情の起伏」を表す大切な表現記号です。
これから楽譜に「molto rit.」を見つけたときは、ただ遅くするだけではなく、「なぜここで遅くするのか」を考えながら演奏してみてください。
そうすることで、あなたの音楽表現はより深く、聴く人の心に響くものになるはずです。

